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■ homonymous hemianopia
Blindsightのpatient studyというのは初期はほとんどDBさんだし、ここ10年くらいのものはほとんどがGYさんを被験者としたものです。もちろんこのような現象が見られるのはこの二人に限ったことではないのですが、実際のところどのくらいの頻度で起こる現象なのか、というのが気になります。とくに、同名半盲homonymous hemianopiaの患者さんのうちでどのくらいの割合で見られるものなのか、というようなstudyはわたしが知る限りではありません。ようするに、hemineglectの場合で言えば"The Anatomy of Spatial Neglect based on Voxelwise Statistical Analysis: A Study of 140 Patients" Hans-Otto Karnath et alとかに相当するようなものがないのです。
んでさいきん見つけたのが子どもでの症例に関するこれ、
Dev Med Child Neurol. 2005 Oct;47(10):699-702. "Blindsight in children: does it exist and can it be used to help the child? Observations on a case series."
です。この雑誌を購読してないので論文は入手できなくて母集団がよくわからなかったのですが、hemianopiaなのは4人で、しかもそこで示されているblindsightの証拠はあくまで"evidence of perception of movement in the blind visual field"であって、stationaryなものに対するものではありません。つまり、RiddochによるBrain 1917とかで描写されているものと同様なものであって、DBさんやGYさんが示すようないわゆるblindsightではありません。というわけで、けっきょくのところわからずじまい。
というわけで、だれかメタアナリシスでもやれば、それだけでも価値ある論文になるのではないでしょうか。もしくは、上記のHans-Otto Karnath論文ででも、neglectのない純粋なhemianopiaの症例を解析しているわけでして……と考えるとなかなか難しい問題がありそうな予感も。じっさい、hemianopiaの症例の論文を読んでても、blindsightに関する記述がないものなんてざらだし、というかどうやら存在を認めていないようすもうかがえるし。
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- / 投稿日: 2005年10月27日
- / カテゴリー: [視覚的意識 (visual awareness)]
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