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■ ウェブログとジャーナリズムと余暇

via 参加型メディア時代におけるウェブログとジャーナリズム 著者: Rebecca Blood 日本語訳: yomoyomo
Nieman Reports Magazineの2003年fall issue (pdf)というので"Weblogs and Journalism"という特集がまるごと読めます。もうこれだけでおなかいっぱいというか、読みおえるうちに話題が収束してしまいそうなボリュームです。Rebecca Bloodの上記論文の原型だけでなく、DAN GILLMORによる"Moving Toward Participatory Journalism"なども含まれてます。ちらっと読んだかぎりでは、ジャーナリズムの立場からものを言っている人が多そうな感じがしました(雑誌の性格上、しょうがないのだろうけど)。
ところで、「中途半端に書くと馬鹿だと思われるし、真面目に書くと暇人だと思われる」、これ、他人事ではないのですが、上記の特集のp.63-64 "Is Blogging Journalism?" By Paul Andrewsで似たようなくだりがあります。


とあるパネル・ディスカッションでベテランのジャーナリスト集団に向けて、私は一日平均2時間を自分のウェブログに充てていることを話すと、驚きの反応がそれこそ部屋全体から聴こえてくるかのようだった。いったいだれが報道業務の中から毎日の2時間を割くことができるだろう? これはまっとうな質問だ。いま私はフリーランスなのでそれができるけれども、私の25年間のフルタイムでの記者経験からすれば日々の作業でブロッグを書くことに充てる余裕などなかったであろうことを知っている。

つまり「暇人」と思われると困るのは、9to5で働いて余暇にブロッグするとか、時間のたっぷりある学生がブロッグを書くのとかとは違って、自分の使える時間を全て仕事に充てなければいけないような職場(9to24、お好みなら7to26で)にいる人がどうして仕事以外のことをしていることを公表してしまえるのですか、という話なのです。

コメントする (5)
# kami

>「中途半端に書くと馬鹿だと思われるし、真面目に書くと暇人だと思われる」名言ですね。とある、NPO・読者参加型ネット新聞というのがあるのですが、そこで活発に議論されている方は、結局睡眠時間を削ってますね。そこまでやるんかいなと思いましたが、しっかりソースを調べて、論理的に展開し、かつ相手の反論(時にただの詭弁・揚げ足取り)に答えていくには、そうなってしまうんでしょうね(半分中毒性あり?)。そのサイト自体は、結局、個人情報登録必須かつ実名報道・議論という展開になって、常連さんの一部は、個人ブログやアンチテーゼとしての新サイト立ち上げて撤退という風になってしまいました。

# pooneil

>>真面目に書くと暇人周りから、あー、この人は仕事もそこそこにネットばかりやってて窓際族なのだな、などと思われないように実績をガンガン出していきましょう、とけっきょくいつものオチにわたしの場合話が向かいます。この点で、ガヤ日記は明白にすばらしかった。>>個人情報登録必須かつ実名報道・議論こちらはまた別に議論する価値のある話題ですね。私が巡回している各種ブログやweb日記の中でも、実名を出している人いない人、プライベートなことを書いている人いない人、ボスに読まれることを想定している人いない人、などいくつかの点でそれぞれスタンスが違っていますが、実名でガンガン議論する、というのとは違ったスタンスの方が多いという印象があります。私だってググって探しものをしているだけの人にはわたしの名前が露出しないようにしてあるわけでして。実名でガンガン議論、というのは技術系MLとかからの流れで、それとはちょっと違ったコミュニティの一部としてある感じがしてます。このことはもちろん、そういう中でどのように議論を活発化していくことができるだろうか、というこれまでにも話題になった問題意識とも大いに関連しています。

# ryasuda

あじわい深い言葉ですね。でも、ブログの記事がポリッシュされていなくても、それほどInsightfulではなかったとしても、馬鹿だと思われることはない、と思うのですがね。少なくとも、私はそうは思わないけど。ブログが仕事の一部のようになってる人もいるのかもしれませんが。あと、年齢では、F1-ATPaseでノーベル賞をとったボイヤーは、60才のときの仕事で、88才でとりました。高齢のほうを探してみるのも励みになりそう?

# pooneil

なるほど、どちらかというと「真面目に書くと暇人」の方に反応していたけど、「中途半端に書くと馬鹿だと思われる」かどうかは再考の余地がありますね。じっさいのところ私も、ただ来訪者数を稼ぎたいというわけでもありませんし。これまで書いてきたようなリスクうんぬんの問題があるので、隙のあることは出さないほうがよいと思うけど、prematureな考えをメモってく、という気軽さもblogの利点ですしね。ってryasudaさん、とってもinsightfulな指摘をしているではないですか。あと、60才のときの仕事で88才に受賞、ですか。その場合いかに長生きするかがノーベル賞を取れるかどうかの最も重要な要因となりそうですね。

# kami

実名・所属を明らかにしての議論するか、ニックネームだけでよしとするのか結構難しい問題ですね。いろいろなフォーラムやMLを見てても、やはりそれぞれで問題が起きてました。必ずしも、実名だから議論が形式的になるとか、問題が起きにくくなるとも思いませんが、気軽に議論しにくい面はあるかもしれませんね。


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