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■ NBNI2012で発表してきました

2012/11/22

トーク終了した。FAQの「じゃあ色はどうやってV1なしで処理できるの?」はスライドを用意していたが、そこへの質問は来なかった。「じゃあサリエンシーマップはSCにあるの?」という質問に関してはvalue-basedとかがLIPにあったりとかいろんなのが分散してるのでは、って答えた。

山口陽子さんからは「なんでV1が意識に重要なの?」という質問をいただいたので、V1じたいにneural correlate of consciousnessがあるわけではないらしい、ということを答えておいたのだけど、もっと端的にventral pathwayへの経路をブロックするから、と明示的にGoodale and Milnerに従ったラインで言った方が伝わったなとあとで思った。

Perceptual learningやっているひとから、free-viewing taskで見ているのはrecovery trainingによるperceptual learningの結果ではないか?と質問されて、でもmotion stimuliとかは出したことがないのでそれでは説明できないよ、って答えた。

でもそのときにひらめいたけど、たしかにrecovery trainingではmotionは使ってないけど、luminanceでdefineされた刺激をずっと使ってきた。Lesioned monkeyではluminance saliencyの寄与がnormal monkeyよりも高い。

690879802.png

[Current Biology論文のFigure 4より]


いままではこれを説明することが出来なかったけど、彼の質問を敷延すれば、recovery trainingで輝度で定義された刺激でovertrainしたことによって輝度でdefineされたsaliencyが強化されている、もしくはsaliency mapとしていろんなfeatureを足し合わせる際にtop-down的にluminance saliencyの重みを高くしている(もしくはrewardによるvalue-based saliencyが高くなっている)というふうに説明できるんではないかと考えた。

つまり、この条件以外(normal monkeyおよびnormal field of lesioned monkey)では輝度サリエンシーのvalueは低いと言える。完全にspeculationだけど、featureごとの寄与の大きさにつじつまを合わせる説明が出来たのでちょっとこの解析に自信を持った。

(もともと、orientationサリエンシーが0になった上でカラーサリエンシーが0でなくて、色弁別課題ができる、というふうにconsistencyが得られたのでそれでやっと自信を持つことができたし、レビューワを説得できたのだが、それが自分の中で少し補強された感じ。)

ちなみに輝度の寄与がなぜ高い買って聞かれたことはほとんど無かったと思う。じつのところ、この寄与インデックスは絶対値にはあまり意味がない。(full modelでのAUC - leave-one-out modelのAUCだから、%で書いているけど合計しても100%にはならない)

2012/12/6

高等研カンファレンス終了。下條先生はいろんな話を入れながら、social interactionとcross modalを中心にという感じで楽しかった。Changiziの「三色性は顔色を見るために発達した説」の話もしてた。

そこで思ったのだけれども、わたしのfree-viewing実験では、normal monkeyではB-Y (konio)がsaliencyに使われない。(寄与が0%。) かえってblindsight monkeyのほうがB-Y使う。これはやっぱ、R-Gはsaliencyとして使っているのだけれども、B-Yは機能違うんじゃないかとか思った。


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