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■ ASCONE2010の準備してます(1)実習内容に関連して
オータムスクール「脳科学への数理的アプローチ」ASCONE2010 『意識の実体に迫る』 2010年10月30日(土)〜 2010年11月2日(火) で「注意の計算理論で盲視を調べる」ってタイトルで講義をします。
講義内容の説明については生理研のサイトにページを作りました。あと、ASCONEの特徴は実習と討論なのですが、私の講義ではLaurent Ittiのsaleincy toolkitをvirtualbox上のlinuxから走らせて体験してもらう、という実習を行う予定です。こちらについての説明を書きました。ぜひご覧になって試してみてください。
それに関連していろいろツイッターでつぶやいてました。ほかにも講師の土谷さんや金井さんがつぶやいてます。ツイッターをお使いの方はハッシュタグ#asconeで探すと出てきます。おなじものを私がtogetterを使ってまとめたものがありますんで、ツイッター使ったことのない方は「ASCONE2010関連 」にアクセスすると話の流れを追うことができます。
それで、私の部分だけでもけっこうな量になったのでこちらでまとめておくことにします。第一弾としては、ASCONEの実習内容に関連して。話がわかりやすいように、元のツイッタの文章から多少加筆、修正および順番入れ替えとかしている。ここから:
有名なinattentional blindnessのテストはそもそも刺激がsalientでないっていう話。元の話を知らない人は元映像から見た方が楽しめる。元映像もyoutubeにあり。そのあとで、こっちを見てほしい。Youtubeより。映像のsaliency (目立つ部分)を計算して黄色い丸で表示している。じつは見逃したのは視覚的にそもそもsalientじゃないからじゃん?というのがここで言いたいこと。Itti labで世話になったFarhanがアップしロードしてる。
そうそう。似てる話で、Autismでの注視位置について以前ブログに書きました。http://bit.ly/daiNBV RT @NaoTsuchiya: 同じアイデアで、change blindness, attentional blink もどこまで bottom up model でpredict できるか試せますね。
いま思ったけど、このネタはASCONEでなんかうまく使えるかも。
つうか、ASCONE関係で調べ物してたのだった。本末転倒www
以前inattentional blindnessのターゲットがじつはsalientでない、という例に言及した。Change blindnessも同様に考えることができて(ここは土谷さんのsuggestionなのでacknowledge)、spatialなsurprise (=saliency)はあいだに入れられるgap映像とかによるtemporalなsurpriseによってoverrideされるので、じつは計算論的にもそんなにsalientじゃないんじゃないか、と言える。同様にCFSもフリッカーによるtemporal surpriseが反対の目からの入力のsaliencyをoverrideしている例と言えるだろう。
つまり、このような目で見てあらためて、サプライズが高いのに意識に上らないものはあるだろうか?と問い直す。2x2のマトリックスで考えてみる。もちろん、blindsightがその答えになるだろう、と言いたいわけ。
ASCONE関係進めないといけないな。気になっているのが、どうしたらグループディカッションをうまく活用できるかということ。以前の@kazuhi_s_ さんのツイート(http://bit.ly/d3i4Iv)にもあったけど「アイデア議論」と「実験デザイン/遂行」の2種類がある。
今回は全体のテーマが意識なので、みんなして議論・アイデア系の課題を出すと毎回似たり寄ったりの課題になってしまう。だから実験操作寄りのことを考えている。
今年はIttiのツールキットをいじってもらって、画像やムービーをsaliency mapに変換してもらう。いろんなパラメータがあるのでそれいじってもらって、主観的に目立って感じられるものと計算されるsaliencyがどのくらい一致/乖離するか報告してもらう。
たぶん主観的に目立つかどうかはもっとトップダウンの影響を受けていることとか学んでもらえるはず。ではどうやったらあるムービーのトップダウンの注意を定量化できるだろうか、なんて議論になってもいい。
あとほんとうは、こっちから画像データを渡すんじゃなくってその場でwebとか探してもらって、一番意外かつ面白い映像を見つけた人が勝ち、みたいなコンテスト方式を考えた。このネタがこのあいだのinattentional blindnessとかchange blindnessとかに繋がる。この話はこのあいだ書いた。
ほかにもmotion-induced blindnessの映像を変換したらどうなるだろうかとか。Localな動きの変動によるsaliency/surpriseの変化と点が見えなくなるタイミングは一致しているだろうか?
そんなわけで、とりあえず錯覚系のサイトに行って片っ端から映像を変換してもらうだけでそれなりに楽しめるはず。ほんとうはYouTubeとかその場で漁ってくれるとめちゃ楽しいけど、ストリーミングだけだからなあ。少なくとも公式には。ちょっとこれは推奨できないか。
以上です。ASCONE自体の募集はすでに終了していますが、ツイッタでの議論は誰に対してもオープンです。まだ現在進行で内容が増えてます。ぜひそちも見ていただければ。それでは仙台にて。
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- / 投稿日: 2010年10月16日
- / カテゴリー: [ASCONE2010 「意識の実体に迫る」]
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