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■ 選択した行動の正解不正解をコードする前頭前野内側部 コメント応答

松元健二さん、松元まどかさん、コメントどうもありがとうございます。お返事遅れてすみません。夏風邪ひいて先週末は吹っとんで、今週はトレーニングコースで、ってまあ言い訳ですが。まずは松元健二さんのコメントの方から。松元まどかさんのコメントへのレスポンスは明日掲載します。

「仮説実験授業」がここで出てくるところは面白いですね。まだそこまで行くにはジャンプがあるとは思いますが、このストーリーの次のステップをいろいろ思い浮かべてみました。

現在の話はpositive, negativeなfeedbackをどう利用して行動を修正してゆくか、ということに関わると思いますが、教育に繋げると展開させると、この問題はさらにそのような学習をどのようにして動機づけてゆくか、そしてそのメカニズムはなにか、という話になるのがひとつの可能性ではないでしょうか。

数理科学に書かれていた「脳における主体性」松元健二・松元まどか では弁別刺激がオペランド行動を誘発して、それが弁別刺激を二次強化刺激として、オペラント行動を誘発する、というようなカスケードを描いておられました。このようなカスケードが動いてゆくときにも、感情、情動という形で捉えられるような動機づけの側面をも含んだシステムとして捉えられるようになると良いのではないでしょうか。これはおそらくprefrontal cortexをmedial, lateral, ventral (orbitofrontal)と分けてそのinteractionを扱う、という(察するに、当初の)ストーリーになるのではないか、と考えます。ちょっと強引な持っていきかただったでしょうか。

「結果を予想してから、その予想が実際に正しいかどうかを検証する」、この方向をelaborateするというのもいろいろありそうですね。ピアジェみたいに、物理的法則の獲得みたいな話にすれば、発達段階について面白いことが考えられそうですし、他者の行動に対するある種のモデルを作る、となれば「心の理論」ですし。

あといくつかレスポンスいただいたところについて:Ito et al. 2003と比較した上でのノイエスですが、Ito et al. 2003のはあくまでunpredicted free rewardに対して応答があったということで、そのフィードバックを行動の調整には使っていないが、今回の論文では行動の調整に使うような正解のフィードバックに対して応答するのを見た、ということですね。なるほど。

それから、「NEW教育とコンピュータ」の記事、拝見しました。そこでは

「他者との比較で優位に立つための目標(=パフォーマンスゴール)よりも、過去や現在の自分と比較して成長するための目標(=ラーニングゴール)を立てて、能力が高まることに対する喜びを喚起するような指導を行うことが大切だと思います。」

と書かれていましたが、これは重要な側面ですね。しかも、実験的にもアプローチできそうです。どちらかというとまずhuman fMRIで取りかかった方がよいように思いますが、やはり動機付けの科学という方向が面白くなりそうだと思った次第です。


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