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■ Neuron 10/14 Glimcher論文追記
11/23 での議論に関する追記。
今回の論文とコメントはゲーム理論に詳しい方が読んでいただくにしてはあまりに細かいところに入り込みすぎたし、元の論文へのアクセスも制限されていて(総合大学のようなところでないかぎり)話の筋を追ってもらうのは難しいと思うので、もうすこし論点のエッセンスを抽出してみるとこうなります:
Payoff matrixが一定な状態で混合戦略でナッシュ均衡にするために非協力ゲームをしている者が変えられるのは自分の行動選択率だけのはずで、自分の効用関数を変えるなんてことはありえないでしょう。しかし今回のinspection gameのようにゲームの途中でinspection costが変化する場合、つまりこれはpayoff matrixが変わるということなので、それを調整してあらたなナッシュ均衡になるときに、自分の行動選択率ではなくて自分の効用を変えて対応するということがありうるかどうか。
これをもしご存知のかたがいらっしゃったらぜひ書き込んでいただけたら幸いです。
このような状況というのはリアルでの経済活動でもあることのはずです。たとえば、二つ競合している販売店があって、ビールと発泡酒のどちらにより売り場を割くかどうかをそれぞれ考えてナッシュ均衡にあります。ビールにかかる税金が法改正で変わってpayoff matrixが変化しました。このときこの競合する販売店が新たなナッシュ均衡になるときに変化するのは売り場面積の比率(行動選択率)だけなのか、それとも売上げにたいする効用関数まで変わるという可能性も考慮しないといけないのでしょうか。と言い換えることもできるでしょう。
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- / 投稿日: 2004年11月28日
- / カテゴリー: [神経経済学 (neuroeconomics)]
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