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■ ガヤScience article論文

がそろそろ出るようなので、Abelesの"Corticonics" '91を見直して、synfire chainの定義について確認してみることにする。以下、だいたいのまとめ。

multipliity (p.212)
あるニューロンaからm個のニューロンへ投射しているとき、aはmultiplicity = mであるという。あるニューロンbへm個のニューロンからの投射があるとき、bはmultiplicity = mであるという。
定義 6.4.3: a diverging / converging link (p.226)
二つのセットW1,W2(それぞれが複数のニューロンを含む)があって、W1からmultiplicity mでW2へ投射しており、W2がmultiplicity mでその入力を受けるとき、W1とW2はdiverging / converging linkと呼ばれる。W1の方をsending node、W2の方をreceiving nodeと呼ぶ。
定義 7.2.1: Synfire link (p.235)
あるdiverging / converging linkは以下のような条件を満たすnを持つときのみ、synfire linkと呼ばれる。すなわち、(1)sending nodeのn個の細胞が同期して活動するときには必ず、少なくともk個のreceiving nodeの細胞が同期して活動することが見込める。(2)kがnより小さくなることがない。
定義 7.2.2: Synfire chain (p.235)
Synfire linkのreceiving nodeが別のsynfire linkのsending nodeにもなっているとき、それら一連のsynfire linkのことをsynfire chainと呼ぶ。
というわけで、オリジナルのsynfire chainは、feedforwardの信号を減衰させずに伝えることが出来るニューラルネットのことであり、そのためにも同時に発火することが要請されていたのだが、'93 JNP "Spatiotemporal firing patterns in the frontal cortex of behaving monkeys."でAbelesは、非同期的だが繰り返し同じ順番で発火するパターンを見い出した。そこでAbelesは、これが単純なfeedforwardモードのsynfire chainではなくて、synfire reverbarationである、というようなことをJNPで言っていて、synfire chainの概念を拡張している。


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