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■ 自明性
「ぬ」という字をずっと見つづけていると、この字は"nu"と読む字だったっけ、「め」と「ね」の中間みたいな新字だったっけ、と確信が揺らぐ瞬間がある(いや、あるよね、あるはずだ)*1。このとき脳で自明性を保証している活動に何らかの変化があるのだ。視覚入力はまったく変わっていないのに。よって、Logothetisがbinocular rivalryでやったのをKanwisherがhumanに移植したのと同じことができる。つまり、fMRIでこの二つの条件の差分を取ればよいのだ。もちろん、「ぬ」を見始めと変わってきたところとを比較するのではコントロールの取り方が悪い。そうではなくて、[見つづけて変わってきたtrial vs.変わってこなかったtrial]と[trialの前半vs.後半]とでinteractionがでるところを探してくればよいわけだ。よし、「自明性のneural correlate」のできあがり! だれか撮って。
もちろん被験者はこのような自明性の変化を恣意的にできるようにすることが要求されるし、そのために被験者は自分について現象学的に分析することに慣れておくことが必要となる。これこそがVarelaが言ったneurophenomenologyではないだろうか(冗談のつもりで書いていたがマジになってきた)。
*1:なんにしろ、「ぬ」を"nu"と読むことの自明性さえ壊れてしまえばよい。「ぬ」を"ne"と読める気がしてくるというのでもよいし、解読不能な古代の象形文字に見えてくるというのでもよいし、ジャイアンツの帽子についているあのキャラに見えてくるというのでもよい。