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■ SDTとpopulation coding (10/20バージョン)
Population codingの文脈で盲視のFC-YNの乖離について考えていた。SDT的に考えればFCとYNは統一的に扱えて、S1,S2という刺激に対して、blank-S1, blank-S2という二つの軸での検出があって、S1-S2の弁別がある。
この枠組みだと、d'(FC) > d'(YN)とはblank-S1, blank-S2の二つの軸が直行していなくて、>90degであるという理解になる。これはS1, S2のシグナルが逆相関しているということ。mutual inhibitionとかを入れれば作れなくもない。
一方で、受容野の広がりという問題があって、盲視では(おそらく)受容野が広がっているので、S1への刺激はS2受容器も刺激してしまう。この意味ではS1-S2には正の相関があり、直交というよりは<90degとなるように考えた方がよい。
(言い忘れたけど、いまの話はMacmillan and Creelmanとかにある、SDTを2Dで表現した図式のこと)
つまり、V1 lesionでRFが広がったことを考慮すると、逆にd'(FC) < d'(YN) ということが起きてしまうので、RFの広がりではこの現象を説明できない。これを棄却すべきモデルとして使う。
Population codingの文脈で私にとって重要なのは、検出では、たとえばS1の検出にはS1にpreferenceを持ったニューロンがいちばん寄与する。(最尤推定するためのニューロンへの重みはS1ニューロンが最大)。いっぽうで弁別では話が変わる。
S1-S2の弁別の際にはS1よりもS2から離れた位置にpreferenceを持つニューロンが寄与する。(たとえばS1, S2それぞれの刺激の位置(polar angle)が+30deg, -30degとすると、+45degにpreferenceを持つニューロンとかの方が寄与する。
つまり弁別では最尤推定するためのニューロンへの重みはS1ニューロンではなくて、+45degニューロンが最大。つまり、検出と弁別とでは判断をするために使うエビデンスが別物。それなの
にノーマルではFC-YNの乖離は怒らないわけで、両者のキャリブレーションが済んでいる。 しかし盲視ではそれがうまくいかない。さらに意志決定の際には、FCの場合には二つのエビデンスを持ったニューロン(+45degニューロンと-45degニューロン)の差を計算するが、YNの場合には二つのエビデンスを持ったニューロン(+30degニューロンと-30degニューロン)の和を計算した上で閾値との比較をする。
ハクワンとかは盲視はこの閾値の設定の問題であるという言い方をするのだが、問題はじゃあなんで閾値が正しく設定できないかということで、さっきキャリブレーションという言葉を使ったけれども、なにかがモニタできていないから最適な行動が取れてないのだ。
ハクワンの話はヒトでの話で、私が想定しているのはnhpでのeconomical decisionでの場面(どちらかというとpost-decising wageringに近い。nhpは内観報告をしているのではなくて、報酬のための意志決定をしている)なので、前者では閾値の調整が不要だというところが大きな違い。
Azzopardi 1998では、forced-choice detection (当てずっぽうでいいからあるかないか当てる)とするとバイアスが0になるというデータがある。(d'がどうなっているかは出てない。これがいちばんcriticalなのだが)
それで、なにがモニタできていないかというと、エビデンスが積み上がっていくことがモニタできてない。だから、それを待たずにサッカードする(nhp)とか逆に時間かけてサッカードするけどさっぱり確信がないってことになる。
JNS2008で使ったdiffusion modelの解析はそういう意味では、暗い刺激と明るい刺激とでadaptiveにthresholdを変えてdecisionする(normal)はずなのにそうならないってのを見た、というふうに解釈できる。
つまり、試行の中でも初めのうちは明るい刺激が出るものとして閾値を設定していて、それに引っかからないようだと閾値を下げて引っかかるのを待つ。そうなると、エビデンスがモニタできないことと、閾値を動かすこととをどうやって分離できるとというのがつぎにやるべきことかも。
話がとっちらかったのでまとめ気味に戻すと、population codingのスキームでは検出と弁別で使うエビデンスが違うのにd'(FC)=d'(YN)となるようなキャリブレーションが行われている。そのような問題解決をしたニューラルネットワークを作って、そのうえでそのモデルのどこをいじると盲視が再現できるか、という風なストーリーが作れる。でもって、RFが広がったから、という説明は結果は逆になるので棄却できる。それなりにリアリスティックなモデルになるから、刺激のコントラストを下げたときにノイズがどのように効いてくるかとかそのへんを押さえる。
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- / 投稿日: 2012年01月22日
- / カテゴリー: [ニューロンの情報コーディング]
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