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■ Annual Review of Neuroscience

"NEURONAL CIRCUITS OF THE NEOCORTEX." Rodney Douglas and Kevan Martin。
Douglas and Martinと言えば、1991年のJournal of Physiology四連報ですな。

麻酔下でV1からintraで記録しながら視覚刺激を与えるという方法論によって、V1ニューロンの視覚刺激応答等のパターンがいかにしてできているかをその回路とともに解明したのです。以前シナプス応答レベルの仕事をしてから行動動物のsingle-unitを記録するようになった私としては、これらの論文を読んだとき、これだ、と思いました。つまり、シナプス応答や回路のレベルでどういうことが起こっているかを動物の行動と結びつける、ということをするための一番の到達点だと思ったのです。それ以降私はV1ニューロンの応答と回路というものに興味を持ち、それがある種のカノニカルなものであるという作業仮説の下にやってきたと思います。
そののちで私の興味は多電極記録へと移行しましたが、スパイクを見るだけではなくてsynapticなイベントを見なければ、ニューロンの入力(PSP)から出力(スパイク)を変換する過程が見れていない、という意味での重要性がまったく薄れていないのは確かです。
In vivoでのintraというアプローチはのちにFregnacのNatureでの刺激応答時のshunting inhibitionの発見、さらにDavid Fersterによる膜電位のup- down-stateの発見などへとつながってゆきます。また、1991年以降にはoptical imagingによるV1のfuncitonal organizationの解明が劇的に進みました。このannual reviewでどのくらいそのへんが盛り込まれて進歩しているか、というのに興味があります。

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# ガヤ

関係ないですがV1について。KonigがCurrOpinNeurobiolで何やら書いているようですよ。読んでませんがAOPで出てますね。

# pooneil

おひさしぶり。königのは8月号のSensory systemsの号の原稿のようですね。リンク付けときました。ありがとうございます。


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