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■ Nature先週号

"Parallel colour-opponent pathways to primary visual cortex."
EDWARD CALLAWAY @ The Salk Institute。
CallwayはV1内のlocal connectionおよびLGN->V1のconnectionの構造についてずっと研究しつづけている。基本的には解剖学者。
色の情報処理について簡単にまとめる。網膜には三種類の光受容器があり、それぞれ主に赤(L)、主に緑(M)、主に青(S)を感受して活動する(実際にはそれぞれのスペクトルは広く、オーバーラップしている)。これらは網膜のretinal ganglion cellでLとMの差分から赤--緑の軸をコードする。また、S(青)とL+M (=黄色)との差分から青--黄の軸をコードする。これが色の二つの軸。この情報は大脳皮質の初期視覚野でさらに処理され、色空間上で非線形的な処理を受けて、小松先生が視覚連合野で見つけたような、彩度をコードしているようなニューロン活動などとして情報表現される。以上まとめ終了。
今回のCallwayの仕事は、LGNからV1へ投射する軸策の終止部位が上記の赤--緑をコードしているニューロンと黄--青をコードしているニューロンとで違うということを示したもの。
大脳皮質は細胞構築のパターンが層状になっていて、V1では表面から六層、さらに分類してlayer 1,2,3A,3B,4A,4B,4Cα,4Cβ,5A,5B,6とあるのだが、黄--青の軸策は4Aに、赤--緑は4Cに局在しているそうだ。
こういうことを明らかにするために彼らはLGNから投射してきているV1内の軸策からのrecordingをしている。実際の波形がないので、これがどのくらい確かなデータなのかいまいち評価できない。また、passing fiberから記録してしまえばあんなにきれいなデータになるわけもない。なんらかのしくみでterminalに近いところからのみ記録できているらしい。


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