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■ 日本視覚学会2014年冬季大会でトークしました

1/23に日本視覚学会2014年冬季大会でトークしました。そのときの準備とかでいろいろメモったことをまとめておきます。


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そろそろ日本視覚学会2014年冬季大会の準備をする。プログラムの暫定版が公開されてる。 わたしの発表は二日目 1/23の13:30から。そんなに大きく変えようはないが、視覚科学者の前だからSDTとかサリエンシーとかの話はしやすいか。

日本語での講演ということになっているけど、せっかくJohn L. Barbur (有名な盲視症例GY氏の論文を最初に出した人)のトークの前なのだし、スライドは英語で作って、Barbur氏にも理解してもらえるようにしておく。あと、ヒトデータをもう少しexpandしておきたい。

色弁別課題に関しては動物実験としてはDKLとか使ってかなり気を使った実験をしてきたが、それでも視覚科学者には粗が見えるだろう。DKLをちゃんとやるためにPR650による測定はやってあるけど、錐体の比率、分布は個体差が大きく、V1損傷によってどう影響しているかも自明ではない。

マカクのL-cone, M-cone, S-coneの吸光特性のデータというものはないので、Stockman, A., and Sharpe, L. T. (2000)を使ってる(いわゆるスミポコではなくて)。DKL色空間についてまとめ

何人かには指摘されたが等輝度を決めるためにHeterochromatic Fusion Nystagmusを使うことは検討したことがあるのだが、TEMPOはmotion刺激を出すのが不得意だったのでやらなかった。

いまにして思えばPTB3だろうとPsychoPyだろうと使ってやってみればよいだけの話だったのだけど、そのときはmatlabで自力で計算したDKL-RGB変換関数を作ってそれをTEMPOで呈示するのでいっぱいいっぱいだった。

せっかく講演の準備をするんだったらそれを動力にして解析を進めてしまうのがよいだろうと考えていたが、サリエンシー総説を書く動力にするという説もある。どっちが効率よいか。どっちが講演として面白くなるか。やっぱヒト盲視データのほうがよいか。

Carol Colbyによる、上丘がS-cone isolating stimulusに応ずるよ、というJCN2014論文が出た。以前のSFNで会ったときにこの話をしていて待ち臨んでいた。この論文の中でも私のカラバイ論文を引いて議論してくれている。


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視覚学会用のスライドを見直していたが、生理学っぽいの全部抜いて、SDTとサリエンシーと色とhumanにしても25分では厳しい。回路の図は質問されたら出すことにして、以前作ったものをColby論文の分だけアップデートして使う。

John Barburの仕事はGY氏の最初の報告(Brain 1980)から、サッカードについて調べたBrain 1988、空間、時間周波数 Brain. 1991、最初の機能イメージング(+なにかあるかんじ) Brain 1993、瞳孔反射 Brain 1999、とさらにはじめてではないけれども、色弁別、optic tractのdegeneration、とGY氏についてのほぼすべての知見に関わってくるので、なにを選んで自分のトークの中に入れるか、自由度は高いが、ひとつに決めるのは難しい。

とくに色についてはいろいろやっておられるので、モザイク刺激の結果とか出したらきっと喜んでくれるだろう。でも時間が足りない。

分かった、この機会にBrain 1980Brain 1993を元にしてGY氏のデータで盲視を説明して、私のデータを出して、だいたい同じだが、方向弁別の結果が違うことを示して、そのあとでmacaqueに移る。そうすれば色の話と回路の話は時間次第で端折りつつも入れることは可能。


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講演ぶじ終了。時間もほぼぴったしで、いろいろ調整したのが功を奏したのではないかと。プレゼン内容どうだったかフィードバックをもらうつもりだったが、そのまえにいろいろ議論しててすっ飛んでしまった。

John Barburはとても楽しい方で、シンポジスト一同で行った食事の間もしゃべりまくりだった。あとはGYさん四方山話が増えた。GYさんについてはハクワンとかバハドーとかからいろいろ聞いてきたが、Barburからもゲット。

夕食でBauburとの話が盛り上がりすぎて、岡崎行きの終電(東京駅発21:30の新幹線)を逃したので実家に泊まることに。帰り道は思ったほど寒くなくてよかった。疲れたが収穫はあった。メモるだけメモったら、さっくり切り替えて来週のために頑張ろう。


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