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■ 「身体性の脳内メカニズム」へのお誘い

生理研研究会の運営手伝い/旅費援助ですが、募集人数に到達しましたので締めきりました。

生理研研究会のwebサイトをアップデートしました。ポスターセッション締め切りまであと一週間です。以前「身体性」ってなんだかわからんな、という人に向けて「「身体性」ってなんすか? 」ってエントリを作りました。要は、そんなに厳密に捉えずに気楽にポスター応募してください、ってことです。

じっさいのところ、今回の講演者の方の話は実際にはチンパンジーの社会性と協力行動だったり(平田さん)、幼児の発達時の模倣行為だったり(宮崎さん)、マカクの自己と他者に関連したニューロン活動だったり(磯田さん)、運動感覚と身体像の機能イメージングだったり(内藤さん)、幻肢の神経学だったり(住谷さん)、発達と身体性の視点からのロボティクスだったり(國吉さん)するわけです。このへんからイメージを膨らませていただけるとよいかと思います。(いま書いたのはテーマは吉田によるめちゃいい加減な説明なので、詳しくは月末に公開される講演者の先生の要旨をご覧ください。)

今回は共同オーガナイザーの村田哲さんにも文章を書いていただきまして、私が勝手に[「身体性の脳内メカニズム」へのお誘い]というタイトルを付けてみました。こちらから:[「身体性の脳内メカニズム」へのお誘い] なお、村田さんから許可を得たので以下にも転載します。

西洋思想においては現象学において身体と精神がつながりの深いものとして考えられるようになりました。一方、日本では、仏教や芸能において古来から身体とこころは一体のものとして考えられていましたが、思想としての身体論が系統だって議論されてきたのは、それほど古いことではありません。さらに言えば、心と身体の関わりを身体性という言葉で、サイエンスの上で議論するようになったのは、ごく近年になってきてからです。

そもそも身体性という言葉は、学問分野やさらには研究者の立場によって様々な使い方をされます。しかし、その共通項は、「こころ」が「からだ」をうごかすだけでなく、「からだ」が「こころ」をうごかすことも考える必要があるということではないでしょうか。さらに、心と体はそれぞれが環境と関わりを持ちます。

こうした考えは、哲学・思想のみならず、認知科学、心理学、発達心理学,比較心理学、神経心理学、計算論、ロボティクス、神経生理学、精神科学、リハビリテーション、生態学、社会学などの様々な分野の研究者がもっているに関わらず、身体性にかかわる研究発表は、いまだ各分野・領域内の発表にとどまることが多いと思います。

運動・身体意識・身体変容・道具・コミュニケーション・社会性・行動・空間認知・共感・アフォーダンス・発達・模倣・ミラーニューロン・自己・他者などなど関連するキーワードも数え上げればたくさんでてきますし、この他にも沢山あると思います。今回の講演者も様々な分野の方をお呼びしております。学問領域を超えて心と体の関わりを研究しているお考えの多数の方々にお集まりいただいて、是非活発に発表・討論をしていただきたいと思います。

……って村田さん、いきなり現象学や仏教じゃみんな引いちゃいますよwとも思いましたが、このキーワード見て引っかかった人が応募してくださればよいかと思います。ちなみに私自身はembodied cognition派で、ヴァレラとか読んできた人間なので、現象学とか仏教とか言葉が出てくるだけで愉快なんですけどね。そのへんについてはこちらのスレ参照で:オートポイエーシスと神経現象学

つまり、私自身のモティベーションとしては、意識の生成メカニズムとして環境と身体の交互作用は必須なんだろうと思ってるんだけど、どう必須なのか語れるようにもっとこの分野のことを知りたい、というわけです。

それでは岡崎で会いましょう!!! ちなみにはじめて岡崎に来る方へ:東岡崎駅から会場までは緩やかな上り坂です。荷物が大きい方はタクったほうが良いかも。


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