« Goodale and Milnerのつづき | 最新のページに戻る | 英語の脳科学関係のblog »

■ Surprise index

Poisson分布からのdeviationをbinごとに検定して出したP-valueを-log(P)に変換してsurprise indexという言い方で扱うというのはスパイクと行動の相関を見るのに使われるのを見ます。たとえばThompson and Schallの1990年代後半あたりの論文とか。Aertsenのunitary event analysisというのも同様なPoisson分布からのdeviationを見る分析を使っていたのではなかったっけか。
あ、ひさびさにガヤ日記 6/1へのコメントということで。
前にも書いたことだけれど、この種のbinごとの解析というやつに必ず付随するmultiple comparisonの問題というやつはどうしたらよいもんだろう。視覚刺激への反応潜時の決定にしても、σ=10msのkernelをかけてからspontaの2SDを越えたところ、というのがconventionalなやり方ではあるのだけれど、本当は問題があることは明白です。何よりこれらは時系列データであって、そういうものを解析するための統計を使う必要があります。たとえば、隣り合うbinとのあいだにはスパイク自体のあいだに相関があるのであって、行動との相関を見る前にこれらの影響を除去しなければなりません。
いちばん簡単な方法としては、repeated masure ANOVAになるでしょう。各binのスパイク数を従属変数として、bin [t1,t2,...ti,...tn]をひとつの因子、行動の方の条件、たとえば視覚刺激の種類をもうひとつの因子として、2-way ANOVAにすることでしょう。Mixed modelで、binと行動とのあいだにinteractionが出たら、そのsum of squareを分解してsimple main effectを検討することでとりあえずどのbinが有意であるかは言えることになります。Repeated masureにしておけば修正自由度εを使って検定してくれるでしょう。
もうひとつの解決法としては、MANOVAのような形になるのではないでしょうか。Binごとに解析せずに、従属変数を多変量にして、Y=[y1,y2,...,yi,...,yn]という各binのスパイク数を従属変数にして、これと行動の方の条件、たとえばrewardありなしやら行動の反応潜時などのregressor(X)を使ってモデル化(Y=Xβ)してやるわけです。こうすることによって、まずは全体としてのモデルがよくfitting出来ていることを示した後で、そのsum of squareを分解してゆく。球面性の仮定が成り立つかどうかで自由度の補正をすることで実質的な自由度もわかるようになります。
後者のようなことを実際にしているneuroscientistは見たことがないけれど、これがオーセンティックなだと思うのです。ところで前者と後者は等価なのだろうか。わからなくなってきました。
うーむ、ですます調だけでこういうこと書くのもむずかしいなあ(<-まだ試行錯誤中)。


お勧めエントリ


月別過去ログ