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■ 生理研研究会のサイトを開設しました・研究会について語ります

10/11-12は生理研研究会「認知神経科学の先端 注意と意志決定の脳内メカニズム」です。研究会のサイトを開設しました。プログラム、ポスターのリストなどを公開しています。ぜひごらんください。

近日中に要旨集のPDFを公開する予定です。ぜひあらかじめ読んで予習しておいていただければ。そういう意味ではこのブログも役立つはずです。

それから、研究会サイトでは[実りある議論のためのリソース]と題したページを作成中です。これにかんしてはまだ中身はありませんが、講演者の文献リストなどを作成する予定です。わたしの独断と偏見で、ということになりますが。


さて語る。もともとこの研究会は酒を飲みながら元 生理研 小松研の小川さん(現在 京大 河野研)といっしょに、仕事が出たら一緒に研究会をやろう!と約束していたのが実現したものです(まだわたしの仕事出てないけどorz)。

高次脳機能関連の研究会を行うにあたって、私たちが特色として打ち出したかったのは、横に広げるより縦に深く行こう、ということでした。ある分野に絞って(今回は「注意と意志決定」を選びました)、さまざまな実験アプローチの方に話をしていただこうと、小川さんとわたしとで演者になっていただく方にお願いして回りました。感激したのは、お願いした方みなさまに快く引き受けていただけたことです。

その結果、さまざまな分野の方に講演をしていただけることになりました。感謝しております。高次脳機能障害の患者さんを調べておられる鈴木匡子さん、計算論的神経科学でさまざまな実験神経科学者とコラボレーションしてこられた中原裕之さん、それからもちろんhuman fMRI, human psychophysics, monkey neurophysiologyの方にも入っていただけることになりました。もっとrodentsとか無脊椎動物とかin vitroとかのアプローチがあっても良かったかもしれない。そのへんは課題ということで。昨年のSFNで松元まどかさんの仕事を見て講演をお願いしたら、そのあとでタイミング良くNature Neuroscienceに掲載されるというニュースがあって、ガッツポーズをとったりしたものです。

深く行くというコンセプトのためにもう一つ考えていたのは、ディスカッションを重視することを形に見えるようにしたい、ということでした。生理研研究会の名物のひとつとして京大の金子武嗣先生の研究会(昨年のプログラム)っていうのがあるんですけど、これが半日*2で講演者が5人、割り当てがひとり1時間ということになっているんだけど、実際の講演時間は質問が尽きるまで延々続く、というものです。去年の狩野先生の講演とかも2時間くらいかかったのではなかったでしょうか。わたしがはじめにイメージしていたのはこの研究会でした。

ただ、ひとりで全員の演者に食らいつくというのは大変なことですので、ツッコミ役になっていただく方をお願いしよう、ということから「指定討論者」という枠を作って、いろんな方にお願いして回りました。今回公開されたプログラムを見ていただくとわかりますが、この指定討論者の方に座長になっていただいて、一人の講演者に対して二人の座長が付いている、という形になっております。そして、講演時間35分、議論時間20分をメドにプログラムを組みました。さあさて、これがうまくいくかどうかは当日のお楽しみ、というわけです。ぜひ見に来て(口調変わってるし)。

研究会のもうひとつの特色は、小川さんや私のような若手が企画・運営している点です。そういうわけで、若手の人に多く来てほしいし、ぜひ質問してほしいと思います。研究会や学会で質問時間があまりないと、エラい先生が質問してるのを聞いて終わってしまうということになりがちです。若手の人の質問を超encourrageします。「へんな質問かもしれないですけど」とか「基本的な質問ですけど」とかそういう枕詞はオミットでぜひ(エラそー)。

若手の人に来ていただくためのひとつの方策として、ポスターセッションを併設しました。また、ポスターセッションの会場でひきつづき懇親会を行うことにして、懇親会の会費を低めに抑えました(4000円、学生は2000円)。ぜひ酒飲みながらポスター前で語っていただけたらと思います。

小松研が毎年行っている視覚研究会(今年のプログラム)は懇親会を所内の食堂で行った後に隣の部屋にある和室に移動してみんなで胡座で酒を飲みながら語るというのがありまして、これが毎年盛り上がるのです。やっぱ胡座重要。参考にしたいなと思っていたのですが、今回はポスター会場で行う、という方を重視しました。つーか食堂をポスター会場にするってのはどうだろう? これはもし来年もやるとしたらのネタとして記録。

第一回の研究会ですのでいろいろ至らないところはあるだろうと不安なのですが(運営方面でいまはあれこれ大変です)、ぜひ多くの方に見に来てくださればと思います。どうかよろしくお願いします。

……今回はかなりぶっちゃけぎみに書いてみました。もし支障がありましたらご指摘ください。本当はこういうことは研究会が問題なく終了してから書くほうがよいことなのですが、それもこれも多くの人に見に来ていただきたいからです。この、現在進行形のプロジェクトの目撃者になってみませんか? (と書いたらさすがに照れた。)


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