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駒場講義2018「意識の神経科学と自由エネルギー原理」準備中

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東大駒場の池上高志さん(大学院総合文化研究科 広域システム科学系)から依頼を受けて、例年6月あたりに大学院のオムニバス講義を一回担当しているのだけど、今年度も日程が決まった。

例年通り準備状況をブログにアップロードしてゆく予定。これまではこんなかんじ:

さて今年度はどんな構成で行こうか。これまで数年の構成は、前半が「視覚失認、盲視、サリエンシー」で、後半が「自由エネルギー原理、統合失調症」だった。

でも自由エネルギー原理パートも統合失調症パートも、二倍の時間をかけてじっくり丁寧に説明するほうが参加者にとって有益なんではないかと考えてる。盲視を外すのは不安だけど。

そういうわけで今年度の講義では、話す内容を統合失調症と自由エネルギー原理に絞ってみようと思う。

前半に統合失調症の前駆期の意識経験(中井久夫)、異常サリエンス仮説(Kapur)、自己の障害、随伴発射、コンパレーター仮説(Frith)まで説明して、後半に自由エネルギー原理について昨年12月に國吉研で行ったオムニバス講義で使った題材を元に説明した上で、統合失調症のベイズ的説明(Adams)で閉じる、という方針で考えてる。

いま書いている総説でsensorimotor contingencyについてはもっと丁寧な説明を作ることができそう。導入部分に関してはいつも逆転スペクトルとaccess / phenomenal consciousnessなので、これは刷新したい。先日の新川拓哉さんの話を参考にして、意識の理論のおおまかな地図作成を作ってみるというのがいいかも。でもこれは時間がかかるから(もしあるなら)来年度以降で。

アウトラインとしては以下のかんじ。

[Part 1]

1-1. 意識を科学的に研究するってどういうこと?

1-2. 統合失調症(1)

[Part 2]

2-1. アクティブビジョンと自由エネルギー原理

2-2. 統合失調症(2)

口調はウザイがだいたい合ってる。これが講義で話したいことのエッセンス。

ひきつづきハンドアウトとスライドもアップロードしてゆく予定なので、乞うご期待。

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