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Some Day, That Place In Time (DOOPEE TIME)のコード進行

pooneilの脳科学論文コメント » Music » Some Day, That Place In Time (DOOPEE TIME)のコード進行

(20230923) DOOPEE TIMEの"Through My Window"から"Some Day, That Place In Time"の流れが好き。

でもって以前からこれのコードを拾うのがうまくいかなかったのだけど、ついに解決した。こうだ:

|Gmaj7 |Em7(b5) |F#m7  |B    |
|Em7   |A7      |Dmaj7 |D7   |

ずっとハマっていたのは2小節目だったんだけど、Gm/Eと解釈していた。でもコードの機能を考えればこうなる:

|IVmaj7 |IIm7(b5) |IIIm7 |VI |
|IIm7 |V7 |Imaj7 |I7 |

つまりIIm7(b5)というサブドミナント・マイナー・コード(IVm7=Gm7の代理コード)なのだということがわかってなかった。

いったんわかってしまえば、後半4小節は ツーファイブからのImaj7-I7(-IVmaj7)という「いとしのエリー」コードだ。

4小節目のBコードの終止感に幻惑されていたけど、これはVImの代わりにVIを持ってくるやつだ。ビートルズっぽいアレ。"I'll Be Back"とか。

どうしてハマっていたか、振り返って考えてみると、そもそもこの曲がDメジャースケールであることに気づいてなかった(途中で出てくるBb音やC音に幻惑されてた)。でも直前の"through my window"がDmaj7-Em7 (Imaj7-IIm7)の繰り返しで明確にDメジャースケールなので、そこからのメドレー形式になっているのだから、同じだと気づくべきだった。

けっきょく「ちゃんとベースを聴き取る」「主和音を見つける」という基本中の基本を実践することが大事という、あたりまえの結論となった。


追記: サブドミナントマイナーとドミナントマイナーについて

メジャースケールのダイアトニック・コード:

Imaj7-IIm7-IIIm7-IVmaj7-V7-VIm7-VIIm7(b5)

マイナースケールのダイアトニック・コード:

Im7-IIm7(b5)-IIImaj7-IVm7-V7-VImaj7-VII7

サブドミナントマイナーIVmは、メジャースケールでのIVをマイナースケールでのIVmで置き換えたもの。

IIm7(b5)も同じ。メジャースケールでのIIm7をマイナースケールでのIIm7(b5)で置き換えたもの。

メジャースケールでのIIm7はサブドミナントなので、IIm7(b5)はサブドミナントマイナーの代わりになるという理屈。

でもって勘違いしてたけど、「ストロベリー・フィールズ」進行のI-Vmで使われるドミナントマイナー(Vの代わりにVm)も同じかと思ったら違った。マイナースケールでの5度はV7なので。

そうではなくて、サブドミナントキー(Cに対するF)のメジャースケールからの借用だった。

Cメジャー: Cmaj7-Dm7-Em7-Fmaj7-G7-Am7-Bm7(b5)
Fメジャー: Fmaj7-Gm7-Am7-Bbmaj7-C7-Dm7-Em7(b5)

「いとしのエリー」進行(I-Imaj7-I7-Fmaj7)で使われるセカンダリードミナント(I7)と同じ。これもCキー曲で一時的にFキーでのV7を借りてる。

サイケデリックな曲のコード進行の多くは、このような一時的な転調を唐突に行う(経過コードを置いてなめらかにしない)というのでだいぶ説明がつく。 さっきのストロベリーフィールズのC-Gm (I-Vm)とか。 Trafficの"House for Everyone"でC-Ebってのがあるけど、これもマイナーコードでのbIIIの借用と解釈できる。

いっぽうでGrateful DeadのMorning DewでみられるI-VIb-IV進行でのVIbは一時的に転調している感じはない。むしろミクソリディアンスケールでのダイアトニック・コードと解釈してる。(Hey Judeの場合はアウトロだけ変わってる)

Trafficの"Paper Sun"もイントロはDのミクソリディアンと捉えたうえで、そこからの一時転調で解釈できそうなのだけど、これはまだよくわからない。 ヴァースがG-E-Gm-Dで、サビがCm-Bb-G-A。

これとあとシド・バレッドの作る曲全般についての分析は長年の宿題なのだけど、また後日。

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