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「生理研研究会 認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」無事終了しました

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今年の「生理研研究会 認知神経科学の先端」は「意識の脳内メカニズム」と題しまして、9/25-26に生理学研究所で開催され、無事終了しました。

これまでの生理研研究会がどんな感じだったかということについては過去のブログ記事を見てほしいのだけど、2007年から始まって、毎年テーマを変えながら「注意と意思決定」「社会性」「意識」「身体性」「推論」「メタ認知とuncertainty」「宣言的記憶」ときて、今回が10年目にして8回目の開催となります。

前回の研究会では、所属教室のPI伊佐正教授が京都大学へ異動することがその時点で確定していたので、「生理研研究会 認知神経科学の先端」はこれで終了、と宣言していました。現在私は生理研で後任の磯田昌岐教授のもとで助教としてこれまでの仕事を続けさせてもらっているのですが、生理研研究会に関してもこれまでと同じ形式で、提案代表者、所内対応教官(磯田教授)、世話人(吉田)という体制でさせていただくことになって、今年再開した次第です。

今年のテーマは2009年以来の「意識」を選び、理研BSIの村山正宜さんに提案代表者となっていただいて準備を進めてきました。2009年のときは国際研究集会として、海外からの講演者を含む12人のトークと、200人を超える参加者を集めて大々的に行いました。あれは2年後(2011年)に京都で開催されるASSC(association for scientific study of consciousness)年会のプレミーティングとしての役割も果たしていたわけでしたが。

それに対して今回の「意識」研究会の特色として考えたのは、1) 意識研究の裾野を広げるために、若い研究者に来てもらえるようにしたい、2) 村山正宜さんといっしょにやるからには、バイオロジー寄りの人にもっと意識研究に興味持ってもらえるようにしたい、ということでした。

1)の目的のために、ポスターセッションを行って、29人の方にポスターを出していただきました。また、講演ではチュートリアル的側面に重きをおいてもらうように講演者の方には依頼しました。ポスターセッションの方はフラッシュトーク付きでかつ急遽ポスター・アワードを開催することにしまして、懇親会終了後までつづく熱いポスターセッションとなりました。以下の金井さんのツイートがその様子を伝えているかと思います。

吉田さん、素敵な研究会のオーガナイズありがとうございました。1日目しか参加できませんでしたが、意識を本気でやりたい若者が増えていて、しかもレベルの高い研究をしていることに希望を持ちました。あと一歩で、堰を切ったように意識研究がでてくると思います。

— Ryota Kanai (@kanair_jp) September 27, 2017

2)の目的のために、「Special session: 回路操作によって意識研究は可能か」を開催して、げっ歯類や線虫といった動物を使って回路操作を行って研究している方にトークをしていただきました。私自身も応援演説的に「optogeneticsやchemogeneticsは意識の起源を解明するのに役立つよ!」みたいな話をしてきました。

こちらに関しては、生物系の研究者が予想以上にたくさん参加してくれたこと(結局トータルで110人の参加となりました)からしても大成功だったのではないかと。あと、名大の池田宗樹さんによる線虫の統合情報量的解析のトークのあとの質問では、土谷さんから「ワクワク感が止まらない」という名言いただきました。ほかにもこれまでヒトやサルで意識研究をしてきた方にも刺さったようで、してやったりという気持ちです。

そういうわけで、トータル110人の参加、懇親会も80名の参加という、たいへん盛況な会として開催することができました。参加したみなさまありがとうございます。参加者の方にはアンケートの記入をお願いしています。締切は来週末、10/6(金)です。ぜひよろしくお願いします。

さてちょっと運営についてコメントを。今回の研究会はあいにくいつもの広い会場(岡崎カンファレンスセンター、大会議室の定員が200名)を予約することができなかったので、狭い会場(生理研の大会議室、定員90名くらい)での開催となりました。そういうわけで、これまでの研究会ではやったことがないのですが、不本意ながら「満員につき参加受付を閉じます」とアナウンスすることになってしまいました。そのうえ、閉じるタイミングが遅れたので、けっきょく90人の会場に110人の参加申込みがあるという状態に。

そういうわけで今回は対策として、1) 会場の後ろの方の机を撤去して椅子を並べる、 2) 隣の部屋に椅子を並べて講演のスライドとマイク音声が流れるようにする、ということでなんとか来た人全員に話が聞いてもらえるようにしました(100%技官の方のおかげ)。隣の部屋でトークを見てた人も10人弱はおられたので、後ろの席にいるよりも隣の部屋で聞いたほうがよいと判断された方はおられたということで、苦肉の策ではありましたがこれはやっておいて正解だったようです。しかしながら例年と較べて快適な会場でなかったのは確かで、ご不便をかけた方にはお詫びもうしあげます。来年以降また改善してゆきます。

さあさて、次回の生理研研究会の予定についてですが、すでに準備を始めております。次回の提案代表者になってもらう方に声をかけて、テーマを相談中。詳細決まり次第、ぜひ宣伝していきたいと思います。生理研研究会の開催申請は12月、開催確定は3月となっております。それではみなさま、また来年お会いしましょう!

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