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研究関連メモ(20150615まで)

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なんか、外界の視覚刺激の情報量みたいな言い方をするときに、それがまるで感受する有機体とは独立したもののように言われうとおかしいよなと思う。シャノン的な意味での情報量だったら送り先と受け手のあいだでプロトコルというか可能な信号の組み合わせが決まっているからこそ情報量が定義できる。

だから、視覚刺激の情報量と言われたら、とりあえず網膜上での視野像に変換してそれを錐体がどのくらいの空間・空間解像度とどのくらいのダイナミックレンジで応答するかみたいな言い方になるはず。

こういうことはたぶん「ユーザー・イリュージョン」のどっかで議論されているはずと思って図書館で借りてきた。とりあえず和訳本p.64あたりの要約で、aという文字が情報量を持っているのはほかの25文字ではなくaが伝えられてきたことを私たちが知っているからで、もし伝えられるのがアルファベットだけであるということを知らなかったら、aという文字にどれだけの情報量があるかはわからない。

「シャノンの情報は、送り手と受け手がどんな共通の前提を取り決めているかを知るまで、定義できない」という表現を見つけてきた。なるほどいま「プロトコル」という言葉で言おうとしていたことと同じだ。


統合失調症の動物モデルというときにはそれはtrait (=geneticなものまで含めた持続的な「特性」)なのかstate (=精神症状が出ているまさにそのときのようなtransientな「状態」)なのかという問題がある。

これは精神疾患一般に昔からある概念だけど、中間表現型という点からの論文を見つけた。Curr Psychiatry Rev. 2006 "Trait vs. State Markers for Schizophrenia: Identification and Characterization through Visual Processes" 動物モデルとの言及もどっかで見たはず。つまり遺伝子変異動物によるモデル、神経発達的モデル、薬理的モデルをどう組み合わせるかとかそういう文脈で。


C++かC#かとかってのは何に使うかによって決まると思ってる。最近の私にとってはハードウェアで決まってる。たとえばTobiiのアイトラッカーではC++、.NET、C#、Pythonと選択肢があったけどmatlabがなかったのでしかたなくC#で書いた。いまはMatlabが使えるけど。UnityもC#かjavascript。

EyeLinkはC++かmatlabかpython。可能な限りmatlabでやるようにして、それで無理なときだけ必要最小限の労力でC++とかC#とかPythonとかいじってる。

なるたけ手を広げずに済ませたいけど、Processingでプログラム作ったらけっきょくJavaもしらなくてはいけなくなりそうで困ってる。PsychoPyはスタンダロンだけで済ませようと思っているけど、ハードウェアとの接続を考えるとけっきょくPython環境を作ってライブラリをインストールしないといけない。そこまでやるかどうか躊躇しているところ。


5月になるとトイレに貼ってあるくもん雑学カレンダーの「いったんてんとう虫を食べた鳥が二度と食べようとしないように派手な色をしているんだ。てんとう虫はとってもまずい味がするんだ」って部分に「食ったんか!」と突っ込むのが日課だったのけど、今年は違う。

だって、そもそもてんとう虫って捕食動物にとって目立つ色なのだろうか? 赤と黒だし。それで思いついたけど、4色性の視覚を持つ鳥にとってはサリエンシーが高いのかもしれない。ハチの黄色と黒の警戒色も天敵にとってサリエンシーが高いのだろう。つまり相手の視覚に合わせたサリエンシーをデザインしている?


先日の駒場講義でも強調したことだけど、視覚意識の「contentの切り替え」の研究から広げてゆくにあたって「半側空間無視-空間・身体」と「統合失調症-自己・現実感」とを見てゆくことが重要なのだ、みたいなストーリーからいけば、ここでMetzingerが取り上げているBlankeとかラバーハンドイルージョンとかそういった現象からどうやって意識と自己の理論みたいなことをつくるかということを考えたい。Bayesian Brainとかsensorimotor contingencyとかそういうお話も意識のunityを考える方でこそ意味があるはずだ。

(情報処理としての意識、って話になるとかならずや何が意識に上って何が上らなくて、そして何が情報処理されて何がされない、といったところに終始してしまうので。つか盲視でさんざんこれまでやってきたし、これからもやるのだが。)


Processingでセカンダリモニタにフルスクリーンで刺激を提示する話。以前は難しかったようだが、いまはpreferenceの“Run sketches on display”でディスプレーを選択してshift+Runでいける。参考URL:Window Size and Full Screen

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