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■ Non-trivial information closure (NTIC)は何を計算しているのか

Consciousness Club TokyoでArayaのAcer Changが"Information Closure Theory of Consciousness"というオンライン講演をしていたので観てきた。これは彼が先日Front. Psychol.に出版した"Information Closure Theory of Consciousness"という論文の内容に基づいてる。

Chang AYC, Biehl M, Yu Y and Kanai R (2020) Information Closure Theory of Consciousness. Front. Psychol. 11:1504. doi: 10.3389/fpsyg.2020.01504

この仕事については以前からその存在は知っていたけど、ちゃんと話は聞いたことがなかったので、この機会にしっかり理解しようということで参加してみたのだけど、Acerが導入部分でNTICについて丁寧に説明してくれたので、参加して正解だった。

(そのあと金井さんのトークのYouTube "On Consciousness: Information Closure and General Intelligence"も見た。こちらはさらに全体像が掴めるのでよい。)

この論文では"Non-trivial information closure (NTIC)"がゼロでないシステムが意識を持っていると主張している。論文の中での議論にはいろいろ言いたいことがあるのだけど(盲視の扱いとか、SMCの扱いとか)、まずはその前に"Non-trivial information closure (NTIC)"という概念についてしっかり知るべきだろう。

ということでNTICの概念を最初に提唱したBertschinger et al. (2006)の"Information and closure in systems theory"を読んできた。このあたりについてまとめてスライドを作ったので、slideshareに上げておいた。

NTICは何を計算しているのか from Masatoshi Yoshida

結論としては、NTICというのは、もし時系列データに適応せずに単に3変数データに使ってみた場合には、MI(X;Y;Z) と等価だった。Bertschinger et al. (2006)では、それをsystemとenvironmentの関係に当てはめた上で、E1->S_2のように時間遅れがあるものが感覚入力による影響で、E1->S_1のような同時の影響がモデリングによるものだ、という意味づけをしていた。ここが肝であるようだ。

さらにこの同時の影響については、Martinの論文にもあったように、粗視化と捉える視点もあった。そういうわけで、まだまだ本質には辿り着けてない。

NTICがやっていることとマルコフブランケットがやっていることはどちらとも条件付き独立に関わっていてよく似ている。金井さんのトークでは両者の関係についても言及していたが、このへんについても言いたいことはあるが、まだもう少し準備が必要そうだ。

ともあれ、今回このスライドを作るにあたって、自力で式変形して、エントロピーとか相互情報量とかの基本の再勉強になったのでよかった。


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