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■ 上丘についていろいろ(5) transsaccadic integration

とりあえずstaircaseで自分のluminance contrastのthresholdを決める。ギリギリになってくると、画面の刺激だか、画面のムラだか、自分内ノイズだかわっけわからん。昔の網膜出血の残りで飛蚊症があるので、自分内ノイズ高すぎ。ほんとにわっけわからん。

trassaccadic integrationみたいなことを自分でテストしている。サッカード前にperipheryにある刺激をidentifyしたのか、それともサッカード後にfoveaにある刺激をidentifyしたのか、自分でやっていてさっぱり区別がつかない。

SRTから推測するに、postsaccadicにfoveaで見ている時間はほとんど無いはずなのだけれど、presaccadicにperipheryで見ているような気がしてならない。ああ、こうやって日が暮れてゆく。

もちろん、これこそが連続性を作るメカニズムなのだけれど、それを使った課題を作ってみたかったって話。

サッカード前後の知覚について論文を調べていたんだけど、MorroneとかのストーリーとDuhamelとかのremappingの話とかに終始してなんか代わり映えしないなあと思ってた。 そしたら、@kanair さんの日本語レビューを発見した。これがすごい面白かった。連続性よりも断続性を強調する、predictive codingなどへの展開、サッカードと視覚の相互拘束的関係とかみどころたくさん。感激してメールした。

ほかにもいろいろ調べてくれば出てくるのだけれど、Transsaccadic memoryとかtranssaccadic integrationみたいなキーワードでいくつか見つけた。いちばん新しいあたりだとVis. Res. 2010 "Parametric integration of visual form across saccades"とか。

サッカードでなんか出したいのだけれども、盲視に本質的なところでないとつまらない。すぐに浮かぶのはWurtzのdouble saccadeだけど、これはparietal lesion向きだと思う。Saccadic adaptationは試行数がたくさん必要なので不向き。

盲視ではtarget localizationはできるけれども、contentはわからない。そこで、transsaccadic integrationができないことと視覚意識を持てないこととを繋げられないかとか考えてる。

Deubelの仕事で、saccade中にtargetが移動しても気づかないが、targetの移動時にgapを入れると移動に気づく、という仕事がある。これはやりやすいかも。また、内観報告と眼の動きとの乖離も期待できる。まずはsaccadeなしで移動が弁別できることを押さえてから。

ただ、それだったらWurtzのdouble step taskのほうに持って行った方がキャッチーであるとは言える。意識との関連ではなくなるが。もしSC->MD->FEFが必須なら、V1 lesionでも起こるはずだ。だが起こらなかった、という結果になればサプライズが生まれる。

でもって、internal modelの維持には意識が必要であるってストーリーとつなげる。よし行った!(<-毎度の皮算用)

saccadic suppression, visual stability, internal modelこのへんでWurtzストーリーに乗っかったうえで、どっかで異議申し立てが出来ればよい。

Wurtzのストーリー的には、saccadic suppression(SS)はSGI->SGS->Pulv->MTとなっていて、corollary discharge(CD)はSGI->MD->FEFとなっている。

WurtzストーリーのままならV1 lesionによって、CDもSSも変わらないはずだが、どちらかだけ変わってくれるとインパクトがある。たとえば、CDは使えるがSSは効かなくなるとか。もちろん盲視でSSやCDをどうやってみるかってところがchallengeであって、簡単ではない。


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