« 論文いろいろ | 最新のページに戻る | Research Buddy, Saves references to webpages »

■ Connotea チュートリアル

Connoteaで検索かけたら日本語だとうちのサイトが一番上に来ることを発見(5/29現在)。というわけでせっかくですので簡単なチュートリアルを作ってみました。http://www.connotea.org/に行けばサイトガイドとかいろいろあるので、詳しくはそちらを読んでもらうということで簡単に。

Connoteaとはなにか

  • フリーのオンライン文献整理サービスです。
  • Pubmedの要旨やNature Publishing Groupの雑誌などのオンライン文献のURLをブックマークしてhttp://www.connotea.org/上に登録したユーザー名で保存することができます。
  • 文献ごとにタグ(=文献を特徴づけるキーワード)を付けてあとでそれを使って論文を検索したり、同じタグを使用している他の人のブックマークから関連論文を探したり、といろいろ応用可能です。
  • 登録や使用は無料です。
  • Perlで書かれたコ-ドはGNU General Public Licenseの元で使用改変可能、という意味で「フリー」です。
  • Nature Publishing Groupが運営してます。
  • まだベータ版で、発展中です。参加している人数も、対応しているサイトもまだ限りがあります。
  • 将来的には、多くの人が参加してタグの母集団が充実することによって、関連するキーワードの自己組織化による収束、論文読者がどのような概念のネットワークを作っているかといった知見、最新のホットな論文およびキーワードの発見、といったさまざまなメリットが望めます。(これらがソーシャルブックマークが持つ"folksonomy"="social classification"という特徴です。)

チュートリアル: じっさいに使ってみる

スクリーンショットとかとってみたんだけれど、著作権上、許可が必要そうなので省略(<-チキンだが、GPLなのはコードだけ)。

  • まず登録。ユーザー名とパスワードとメールアドレスが必要になります。
  • つぎにログイン。クッキー設定してパスワードマネージャーを使えば意識することもないでしょう。
  • "Add to Connotea"のブックマークレットをブラウザに登録。ブラウザがInternet Explorerの人は"Add to Connotea"をlink barまたはお気に入りに登録、FirefoxとSafariの人は"Add To Connotea"をbookmarks barに登録。
  • じっさいに文献を登録してみる。ためしにPubMedのアブストを登録してみる。たとえば"Matching behavior and the representation of value in the parietal cortex"を開いておいて、"Add To Connotea"を開く(ブックマークから、もしくはlink barかbookmark barから)。ポップアップウインドウが開きます。私はFirefoxでポップアップウインドウを開かせないようにしているので新しいタブが開きますが。新しいウインドウに論文のタイトルや著者、PMIDなどが読み込まれてきます。"Tags"のところにあとでの分類のためにキーワードを入れときます。とりあえずは"neuroscience"とか入れといてあとでいじるのも可。"Add to my library"で登録完了します。
  • "Add To Connotea"ウインドウで登録する論文を公開するかプライベートにするか選択が可能です。また、optionalですが、論文へのコメントも作成可能。
  • 自分のライブラリを眺める。http://www.connotea.org/user/ + ユーザ名のライブラリができます。私の場合ならhttp://www.connotea.org/user/pooneilです。登録した論文が入っているのを確認します。
  • 自分のライブラリをいろいろいじる(1)。同じタグが他の論文にもつけられているときはタグ(たとえば'brain')をクリックすると"Bookmarks matching tag brain"というタイトルでリストが出てきます。
  • 自分のライブラリをいろいろいじる(2)。同じ論文が他の人にも登録されているときは"Posted by pooneil and 1 other"とか出てきます。これをクリックして同じ論文を登録しているほかのユーザのブックマークを見ることができます。
  • 自分のライブラリをいろいろいじる(3)。論文にコメントがついているときには"posted by pooneil with 1 comment"とか出てきます。人のコメントを見てさらにコメントを追加することもできます。
  • 自分のライブラリをいろいろいじる(4)。"Toolbox"のところから、自分のライブラリをrisフォーマットでエクスポートしてEndnoteとかに取り込むことができます。
  • 自分のライブラリをいろいろいじる(5)。"Toolbox"のところの"Rename a tag"を使うと前につけたタグを変更できます。これは、いろいろ論文を登録していく過程でカテゴリ分けを変更したくなったときに使います。
  • 自分のライブラリをいろいろいじる(6)。また、"related user"のところをクリックすると自分と似た論文を選んでいるのかのユーザのライブラリを見ることができます。これによって、関心がある分野で自分が気づいていなかった論文を見つけることができるかもしれません。

ベータ版ですのでまだ機能はいろいろ足りませんし、ソーシャルブックマークというものの可能性も未知数です。しかし、ソーシャルブックマークは母集団の大きさが命。参加者が増えれば増えるほど使い勝手がよくなる"architecture of participation"という原理の元にあります。というわけで皆さんもちょっと試してみてはいかがでしょうか。

私自身はどう考えているか

んで、私自身はどう考えているかというと、

  • EndNoteを未だ使いこなせていないけどオンラインならうまくいくかも
  • pdfファイルは印刷するのに使うことにして文献管理じたいはオンラインのhtmlでやりたい。(論文執筆の際の文例探しとかにしてもpdfでやるよりhtmlでやりたい。Google desktop searchは今のところうまくいかない。)
  • これまでやってきた論文コメントを文献リストの形で整理できないだろうか
  • ソーシャルブックマークというよりは、コメント部分により重点を置いてCMSとして使えたらいいなあ、と。つまり、草の根fuculty of 1000の忌憚のないコメント付き、日本語バージョン、ですな。このへんについては以前20041214あたりで考えたことの延長にあります。(だからといってコード読みだしたのは我ながらさすがにかぶれすぎだったのでこれ以上深入りしない予定)

とかそういうことを考えてちょっと試しているところです。

コメントする (1)
# pooneil

cogniさん、早速のレスポンスありがとうございます。重複したトラックバックは消しておきました。


お勧めエントリ


月別過去ログ