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■ ガヤセミナー

ガヤScience論文については4/21-4/30にかなりextensiveに扱いましたので、昨日のエントリを読んだ方でまだの方はぜひそちらも読むことを勧めます。ここでは昨日のガヤの返答にspecificにいきます。


sequenceとsynfire chainとの関連については(この場では)ノーコメントにしたいのですが、それではマズいでしょうか?

もちろん問題ありません。Confidential matterに関しては各自管理してください。消す必要が出てきたらいつでも消します(これはこのサイトの最優先事項です)。8/23で書いたような著作権の話で言えば、皆様のコメントはコメントされた方に属する著作物であり、私はそれの公衆送信権を著作者に代行して行使している(公衆送信権は著作者から失われていない)、ということに現状ではなっているかと思います。
Grinvald&Arieliのoptical imagingについて:

実験系からいえば当然Layer 1をモニターしていることになります。

いや、あれはfocus面を下げてlayer 2/3をみているかと思っていたのですが、勘違いだったでしょうか。なんにしろ、VSDによるoptical imagingはsomaのspikeよりはdendriteでの入力の方を見ていて、空間的パターンの元となるのはlayer4-<layer3およびlayer2/3のhorizontal connectionのactivityである、という理解をしておりました。
Sequenceの有意性について:

mathematical artifactの件ですが、こちらはひどく頭の痛い問題です。「sequenceがどの程度chance levelで生まれうるか」というのは、そう簡単には分からないと思われます。

8/30でのわたしの論点は、統計を駆使してsequenceの有意性を出すことよりも、そのようなsquenceがこれまで知られている機能的構造と関連していることを示すことがいちばん信頼性を上げる、ということです。これは自分自身に言い聞かせていることでもあるのだけれど。
Sequenceが短いスパンの中でのみ繰り返されるということは[sequenceがランダムなスパイク列から偶然にできるものではないこと]の証拠と言っていいと思います。一方で、そのようなactivity driftingのほうがリアルな現象で、repeating sequenceはそれから出てくるartifactualなものである可能性はまだ残りそうですが。

説得力の高い論文としてはJ Neurophysiol 81(1999)3021などがあります

"Stochastic Nature of Precisely Timed Spike Patterns in Visual System Neuronal Responses." Oram et.al.論文は以前は言及しませんでしたが、私が書いていたjPSTH的なアプローチをしてましたね。ガヤ論文はこれに対する反論、反証という役割を帯びていると思います。

その視点から、Yusteラボのsequenceやsongという“秒オーダー”の現象を眺めていただけたら幸いです。

ガヤのこれからの研究に期待します。ご返答どうもありがとうございました。


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