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■ アフォーダンス続き

3/15のU.T.さんのコメントに関して。まだちょっとよくわからないのですが、U.T.さんの最初のコメントをパラフレーズすると、「知覚運動変換(たとえば、Arbibがやってるようなgraspingのプロセス)を説明するには、べつにアフォーダンスなんて言葉を使わなくとも、単純に、運動系から知覚系へのフィードバックと捉えればじゅうぶんではないか?」ということだったのでしょうか。それとも「アフォーダンスという言葉が扱っていることは、運動系から知覚系へのフィードバックと捉えればじゅうぶんではないか?」ということだったのでしょうか。つまり、「何を(知覚運動変換の調節なのかアフォーダンスなのか)」運動系から知覚系へのフィードバックと捉えているのかがよくわからなかったのです。私は後者だと思ってコメントを書いたのですが。
あと、「「運動系から知覚系へのフィードバック」にはいろんな段階のものがありますし」と書いていたのがまさにU.T.さんが書いた外在的(知覚フィードバック)と内在的(遠心性コピー)のことです。前者の研究のほうがたぶん楽でしょうね。行動しているときの視覚フィードバックが変わるようにすればよいわけで、プリズム適応とか のvisuo-motor illusionかがこの部類ですでにあるわけでして。しかしこれらが前者のみによって説明できるわけではないし、後者によってわれわれは運動の学習を獲得しているわけで、後者が重要なのは間違いない。で、どうやって研究しているかかといえば、現状では内部モデル(順モデルのほう)があることを示す、というやり方をしているわけですが、たしかに直接的ではないかもしれません。まあ、この先が面白い、ということで。

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# U.T.

アフォーダンスといってしまうと、色々なのを召喚してしまうので注意が必要かなと。進化生態論者なら、その生物種が生育する環境をあらかじめ神経系は生得的に「知っている」ことでしょうし、佐々木正人氏ならcross-modal integrationでしょう。結局、ギブソン原理主義だというのも理解できます。それぞれに個人的には好きなのですが・・・。意図したのは、現在の課題パラダイムに合致する方向性で重要な問題は何かということです。純粋に現象論者だと、この辺が甘くなる(というかあんまり問わない)。具体的な方法論で挙げられた例には全く同意です。順モデル・逆モデルと計算論的に定義されたのは目からウロコでした。

# pooneil

コメントありがとうございます。


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