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■ 信号検出理論

ではROC curveを書くために同一の刺激条件において判断基準を操作する(シグナルとノイズの二つの正規分布の横軸を変える、ということ)。このための方法には

  1. 刺激の呈示確率や利得条件を変える
  2. 確信度評定(各試行ごとに判断にどのくらい確信があるか答えさせる)をさせて違った確信度ごとにデータを並べなおす
という二つがある。前者はブロック単位で条件を変えなければならないのでいろんな条件の統制が難しいが*1、後者は同一のブロックでそれぞれの確信度のデータを得られるのでよりきれいなデータが(おそらく一般的には)取れる。どっちにしろ、刺激条件がまったく同じにしてあるというところがミソだ。
たまに見るのだが、刺激にいろんな程度のノイズを加えてデータを取ってROC curveを書くのはこの意味では間違ってないだろうか?*2 刺激条件が変わっているわけだし。たとえばNewsomeが使うrandom dot kinematogramでROCカーブを書くのは間違っていないだろうか?
逆に、確信度評定にはverbal reportが必要だから人でしか使われてこなかったけれど、response latencyを確信度と捉えなおせば*3、動物でも確信度評定を用いてROC curveを書いたことにならないだろうか? そういうことを誰もしないのは端的に間違っているからだろうか? 心理学者の方、ご教授願います。


*1:この意味でPlatt & GlimcherのNatureのタスクはブロック単位になっているところに問題があり、本当はもっと生に近いデータがないと信用ならない。
*2:こういうのが心理学にあるかどうかわからないが、神経科学ではたまに見る。
*3:早ければ早いほど確信度が高いとする。Binに切らずに連続的にROC curveを書けるという劇的なadvantageもある。


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