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■ Nature ついでに私信、というか

"Spontaneously emerging cortical representations of visual attributes."
GRINVALD ARIELI @ The Weizmann Institute。
'96のScienceで出してたongoing activityでorientation mapに似た形がspontaneousに現れるというやつ。
大脳皮質のニューロン活動は非常にノイジーであって、視覚応答のスパイク数のtrial繰り返しでのばらつきは大きい。mean / varianceはほぼ1であり*1、ポアソン分布で近似できる。このようなばらつきのある情報から正確な情報を取り出すためには何らかのノイズ軽減メカニズムが必要なはず。そこで考えるのは、複数のニューロンの情報が入力するニューロンではこのばらつきがpopulation averagingで消えるのではないか、ということだけれども実はそうなっていない。初期視覚野ニューロンでのmean / varianceとその情報が収束していると思われる視覚連合野ニューロンでのmean / varianceはあまり変わらなかったりするのだ。
よって、このばらつき(=ノイズ)はまったくのノイズではなく、ノイズ自身がニューロン間で相関していて、何らかの構造をもっている。この意味でArieliのongoing activityは重要だ。LFPレベルでの空間的相関があって、それによってノイジーに見えるニューロン活動はかなり規定されている。でもって、Singerらのガンマオシレーションによるfeature binding説もVarelaの領野間coherenceもたぶん同じカテゴリーに属する。


*1:実際には、motionへのスパイク応答を短いタイムスケールで見るともっとreliableなコーディングをしている、ということがBialekやBiarの仕事でわかっている。


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